これまでのページでは進化アルゴリズムを問題を解くためのツールとして扱ってきた。すなわち、集団が解空間を探索し、適応度が候補解の良し悪しを評価する。MetaDE はこの関係をさらに一段上へ押し上げ、進化アルゴリズムそのものを進化の対象とする。外側の進化層が「内側の差分進化をどのように動作させるべきか」を探索するのだ。こうして最適化の目標は「問題の解を求めること」から「解法を改良すること」へと拡張される。
二層構造:構成の進化とタスク求解
- 内層(解空間):与えられた変異戦略と主要パラメータ(スケーリング因子、交叉率、集団サイズなど)のもとで差分進化を実行し、ベンチマーク関数や工学的最適化タスクを求解するとともに、タスクの性能を適応度として出力する。
- 外層(アルゴリズム構成空間):各個体が1つのアルゴリズム構成を符号化する。その適応度は自身で計算されるものではなく、内層がその構成でタスクを求解した後に返す性能によって決まる。外層はこれに基づいて選択・再結合・変異を行い、現在のタスクにより適合するアルゴリズムの挙動を生み出す。
- 閉ループ:構成生成 → タスク求解 → 性能フィードバック → 構成更新という4ステップを繰り返すことで、人手でパラメータをあらかじめ固定するのではなく、アルゴリズムがタスクに応じて適応的に改良される。
重要な区別:構成空間 ≠ 解空間
内層が探索するのは「問題の答え」であり、外層が探索するのは「より上手く答えを見つけるアルゴリズム」である。両者は相互に結合している——外層の良し悪しは内層を実際に走らせて初めて測れる——が、探索対象・符号化方式・評価の基準はそれぞれ異なる。この点を見極めれば、メタ最適化の汎用的な骨組みをつかんだことになる:探索そのものを探索の対象とする。
メタ最適化の視点
従来の手法は経験に頼って差分進化のパラメータを人手で固定していたが、MetaDE はこのステップも探索に委ねる。ただしそれには代償が伴う。外層が1つの構成を評価するたびに内層の求解を丸ごと1回実行する必要があり、計算予算は倍増する。そのため、構成空間の粒度と評価予算は慎重に权衡する必要がある。
