ハイパーサイクルの集団では、そのダイナミクスは自然に二つの階層に分かれる。すなわち、 内部平衡化 各ハイパーサイクル内の相対濃度の 競争 異なるハイパーサイクル間で共有資源をめぐって、あるいは総濃度制約の下で生じる
内部平衡化は、単一のハイパーサイクル内の分子種の相対濃度が内部アトラクタ(通常は固定点またはリミットサイクル)へと緩和していく過程を表す。この間、ハイパーサイクルの総存在量は変化し得る。この緩和は内部の触媒的結合によって支配されており、それ自体がハイパーサイクル間の選択を行うわけではない。
この二つの階層を別々に解析するために、我々は アフィン変換 を濃度変数に適用する。微分方程式(6)の構造に従い、総濃度の変化を内部平衡化から分離する新しい変数yᵢを導入する。数学的には、この変換はx座標系の平行移動に相当し、線形微分方程式の理論でよく知られた手法である。得られた方程式により、相対濃度の内部緩和をハイパーサイクルの競争的成長から独立に調べることが可能となる。
ハイパーサイクル間の競争は、それらが共通の資源プールを共有する場合、あるいは全ハイパーサイクルの総濃度が制約される場合(例えば一定の希釈フラックスによって)に生じる。このような条件下では、一つのハイパーサイクルの増殖は必然的に他の存在量に影響を与える。アフィン変換は、ハイパーサイクル間の選択がハイパーサイクル間の階層で起こるのに対し、内部平衡化は各ユニット内の組成を定めるにすぎないことを明確にする。
この分離は、タイムスケールが異なる場合に特に強力である。すなわち、内部平衡化がハイパーサイクル間の競争に比べて速い場合、各ハイパーサイクルは、その内部アトラクタによって定まる実効成長率を持つ、一貫した選択単位として扱うことができる。この極限では、ダイナミクスはハイパーサイクル間のダーウィン的競争に帰着し、総濃度制約はゼロサムゲームとして作用する。
しかしながら、この分離は理想化である。内部変数と競争変数の間の非線形結合、翻訳共役ハイパーサイクル、あるいは遅い内部モードは、二つの階層を混合させ、厳密な独立性を制限し得る。このような場合、タイムスケール分離という単純化の仮定なしに、系全体を解析しなければならない。
要点
- 内部平衡化 は単一のハイパーサイクル内の相対濃度を固定点またはリミットサイクルへと緩和させる。
- アフィン変換 アフィン変換 xᵢ → yᵢ は総濃度の変化を内部平衡化ダイナミクスから分離する。
- 競争 ハイパーサイクル間の競争は、共有資源または総濃度制約の下で生じる。
- 速い内部緩和により、各ハイパーサイクルを実効成長率を持つ一貫した選択単位として扱うことができる。
- ハイパーサイクル間の選択はハイパーサイクル間の階層でのみ生じ、内部平衡化それ自体は選択を行わない。
- 非線形結合、翻訳共役ハイパーサイクル、あるいは遅い内部モードは、二つの階層の厳密な独立性を損ない得る。
